高校ラグビーの現況:毎日新聞記事より

高校ラグビー:786チームの4強 参加91年度から半減

 ◇突きつけられる競技人口減少の現実

 全国786チームの頂点にたどり着くのは、4校に絞られた。ただし、その全国の予選出場チーム数は残念ながら例年より少ない。 合同チームを含む予選出場チーム数は第91回大会から前回まで800をわずかに上回っていたが、今大会はとうとうそれを割り込んだ。ピークだった第71回大会(1991年度)の1490チームからは半減に近い。

 全国高体連ラグビー専門部が今年度実施したアンケートで、回答した1万1790人(男子登録人数の約半数)のうち7749人が「高校からラグビーを始めた」と答えた。回答者の約3分の2が初心者であり、競技人口減少の現実を改めて突きつけられた。

 花園出場校でも2回戦進出の中標津(北北海道)など4校は部員全員が初心者で、経験者数人という学校も少なくない。全国には未経験者だけのチームが多いと推測される。

 調査結果に岡山工顧問の楢崎富士夫・同専門部副部長は「高校ラグビー界は指導者や経験者の先輩や仲間の熱意とエネルギーに支えられている」と感じたという。高校で初心者が自ら入部してくるケースは少なく、指導者や部員が熱心に勧誘し、入部後も日々励まして活動を続けられるようにしているのだ。未経験者が3年間続けられ、競技人口の底辺拡大を図るためにも、楢崎副部長は技術習熟度に合わせた強化策の必要性を指摘しており、私も全く同感だ。【吉見裕都】